なぜ1on1ミーティングが重要か~組織と現場の2つの視点から整理する~
近年、価値観の多様化やVUCA時代と言われる複雑で速い変化に対応すべく、多くの企業が1on1ミーティングの導入を試みています。しかし、現場視点では「1on1ミーティングがなぜ重要なのか?」と、まだイメージが湧いていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
1on1ミーティングがなぜ注目を浴びているのか、組織と現場の2つの視点でご紹介します。
※そもそも1on1ミーティングとは何か、疑問に感じる方はこちらの記事へ
社会的な変化と1on1への期待値~ 組織の視点 ~
1on1の必要性が増している背景と組織にもたらす効能としていくつかの観点がございます。
1, 働き方改革による、生産性の向上への施策
少子高齢化が進む中でも、職場・家庭・地域で誰しも活躍可能な社会を目指す目的で施行された働き方改革ですが、その背景には労働力不足という課題があります。
それを踏まえ、1on1ミーティングは生産性の向上に向けた人材育成の場として注目されています。現代において、自分で考え判断できる人材が求められている中で、従来では劣後になりやすかった人材育成に対して、確実な時間を割くことによって、組織として人材の強化する施策になっています。
2, 一方的なコミュニケーションが通用しない時代(多様性と受容)にて、個別最適化された支援を実施できること
価値観や働く目的の多様化により、従来のトップダウンのコミュニケーションのみでは人が動きづらくなっています。さらに加速するリモートワークの影響もあり、上司部下間のコミュニケーションが希薄化しやすい中で、双方向のコミュニケーションの場を安定して創出できるのが1on1ミーティングです。多くの組織が上司部下の関係性構築の場として活用しています。
3, 雇用の流動性の高まりに対する、人材定着に繋がる支援
同じ会社にいることがほぼ唯一の選択肢である時代から、より自身の価値観や理想像に合う会社を選ぶ選択肢が生まれた現代では、所属する組織のなかで、成長・やりがい・居心地の良さ等を感じられる仕組みを創り出す必要があります。上司のマネジメントスキルに依存するものの、1on1ミーティングは、部下中心の話をできるため、部下それぞれの理想像や働くモチベーション、ワークスタイルなどを上司との対話を通じて作り上げる場にすることが可能です。
現場にとっての有益性~現場の視点~
現場にとってはもう少し時間軸の短い価値を理解したいという声が多く寄せられます。以下の3つのポイントは上司部下双方が押さえて頂きたいポイントです。
1, 足元の成長支援の場となる
部下の関心に合わせて展開される1on1は、普段着手できない成長ポイントに対する支援を可能とします。一見すると、結果と直結しないために見落としがちな伸びしろも、部下からの課題意識としてあがってくることで、上司側も新しく認知することができ、それを支援することで確実な前進をすることが可能になります。
2, 上司部下間相互理解の場になる
従来の上司部下間でのコミュニケーションでは、上司からの伝達量が多く、部下が受け身になるケースがほとんどでした。ただし、そのコミュニケーションで相互理解を進めることは難しく、上司部下のすれ違いが起きやすい構造にありました。一方で、1on1ミーティングという場で、部下が考えていることを率直に話し、上司側がそれらを受容した上で、対話を進めるというプロセスを経て、互いの認識のすり合わせが実施できます。互いの認識をすり合わせることで、配慮しあったチームを構築することが可能です。
▼ 【より詳しく知りたい方へ】1on1での相互理解が業績改善に繋がる理由はこちら
3, 中長期的な視点での対話ができる場になる
日々の業務内で、中長期的な視点の話をする機会が少ないと思いますが、その視点の解像度が高い社員はモチベーション高く、主体的に仕事に取り組みやすくなります。1on1ミーティングに慣れてきたペアは、上司・部下双方が仕事に対して中長期的な視点でどのように考えているのか、を対話してみてはいかがでしょうか。その場で疑問を解決する必要はなく、近くで働いている人同士の深い部分の考えを共有し、理解を示してくれていることによる安心感は、仕事のやりやすさに大きな影響を与えます
このように1on1の重要性や有益性を理解をした上で、1on1ミーティングに取り組むことで、役割、関係性に応じた個別最適の1on1ミーティングの実施が可能になります。