特集
人の可能性を引き出す組織のレシピ

圧倒的なスピードで、理想のキャリアを実現するために──リブ・コンサルティングの「人財育成・キャリア形成支援」を紐解く

「“100年後の世界を良くする会社”を増やす。」をミッションに掲げる株式会社リブ・コンサルティングは、Great Place to Work Instituteの「働きがいのある会社ベストカンパニー」に8年連続で、そして株式会社リンクアンドモチベーションの「ベストモチベーションカンパニー」に4年連続で選出されています。

経営者・事業責任者と対峙するため、経験値の高いビジネスパーソンがアカウントを勤めることが多い、コンサルティング業界。その中でも入社2、3年目の若手社員でもプロジェクトリーダーを任させることもある同社では、社員を最短で一流のコンサルタントに育て上げる仕組みを確立し、社員のキャリアアップを支援。エンゲージメントの高い組織の構築に成功しています。

今回は、株式会社リブ・コンサルティングの戸川裕貴様に、同社の人財育成・キャリア形成支援の内容と成功の要因について伺いました。

多彩で柔軟なパスを用意してキャリア形成を支援

━━まずは、貴社が人財育成に力を入れるようになった背景を教えていただけますでしょうか。

当社が会社を挙げて社員のキャリア形成や育成に力を入れているのは、人、つまりコンサルタントこそがコンサルティングファームの商品だからです。パフォーマンスを高めて事業を成功させるために、ビジネスモデルの中核を担うコンサルタント一人一人の底上げに取り組んでいます。

━━具体的には、どのようなことを実施されているのでしょうか。

当社には、「CDP(キャリア・ディベロップメント・プラン)」という制度があります。これは、社員が自分の目標に向かって思い描くキャリアを積んでいけるように、上司が育成方針を組み立てていくというものです。半年に一度のペースで面談を行い、その内容を受けてプランを作っていきます。

コンサルタントとしてのキャリアパスは、一つではありません。既存のコンサルティング事業でプロフェッショナルになるという道もあれば、新規事業に参画して一から作り上げていくという道もあります。特に当社はコンサルティングファームでありながらベンチャーの気質もあるので、たとえばDX領域におけるコンサルティングソリューションやコンサルティングをデジタルに置き換えるSaaSなどの新規事業を立ち上げ、公募制で希望者が手を挙げる形で一から作り上げるといったプロジェクトも経験できるというのが特徴です。

CDP(キャリア・ディベロップメント・プラン)
https://www.libcon.co.jp/recruit1/culture/

当社のクライアントにはベンチャースタートアップ企業や中堅企業などがありますが、その社員が将来起業したいのであれば、ベンチャースタートアップ企業を支援するプロジェクトに入って経験を積むことで早く起業に近づくことができますよね。優秀な社員には会社に残って長く働いていてもらいたいのが本音ですが、本人のキャリアプランが起業なのであれば、そこを見越した上でのコンサルタントとしての育成方針を作っていくようにしています。

━━採用段階から、キャリア志向が高い方を中心に受け入れていらっしゃるのでしょうか。

コンサルティング業界全般に言えることですが、ビジネススキルの向上や人財育成に関して興味を持つ方も多く、当社のキャリア形成支援に魅力を感じて入社した社員も多いと思います。採用では、常識にとらわれずに業界を変えるマインドを持っている人、ゲーム・チェンジャーになれる人に入社してもらいたいというメッセージを投げかけていますね。

━━会社として、社員がキャリアプランを描けるように実施されている施策などはありますか。

そうですね。ユニークな施策が2つあります。

1つ目は、CDPに取り入れている「ライフウェイク」です。「ライフウェイク」というのは「ライフ(人生)」「ウェイク(船が通った後の波=航跡)」から成る言葉で、キャリアについて考える前に、これまでの人生の航跡、浮き沈みを振り返ってグラフにしてもらうというものです。キャリアについて漠然と考えるのではなく、自己理解したうえでしっかり組み立てるということを目的にしています。

そして2つ目は、1on1トレーナー・トレーニー制度です。社員1名に先輩1名がトレーナーとしてつき、キャリア形成をサポートしていくもので、ライフウェイクをベースにして「将来こうなりたい」ということをトレーナーと一緒に考えたり、目標を達成するために何をすべきかを逆算して考え、育成プランを作ったりしています。

━━どのような人がトレーナーになるのでしょうか。

社内で設けた基準があり、それをクリアした人がトレーナーになります。社歴が長いからといって、誰でもトレーナーになれるわけではないんですよ。

━━トレーナー育成も徹底して、会社全体で人財育成を進めているのですね。

そうですね。冒頭に申し上げたようにコンサルタントは会社の大切な商品ですので、育成には常に力を注いでいます。研修プログラムも数多く用意し、スキルもどんどん高めてもらえるようにしていますよ。

充実した研修プランで社員のスキルアップを支援

━━研修にはどのようなものがあるのでしょうか。

入社後は、新卒の場合は4ヶ月、中途の場合は3ヶ月の研修期間があります。最初は会社のことや、現在どのようなプロジェクトが進行中なのかなどを理解してもらい、その後コンサルティングスキル、ビジネススキル、ビジネスマインドをしっかり学べる研修を行います。この研修は非常に内容が濃く、入社した社員を一流コンサルタントとして育てるための重要なプログラムで、社員はこの研修を経ることで即戦力として活躍できるようになるのです。

研修プラン
https://www.libcon.co.jp/recruit1/culture/

━━研修も徹底してしっかり組まれているのですね。新入社員以外に向けた研修もあるのでしょうか。

研修は日々開催されています。たとえば、コンサルティングではエクセルで膨大なデータを扱うので、エクセルを使いこなすための講座もありますし、DXなど業務知識を得るための研修なども用意されています。多彩なプログラムが用意されていますので、しっかりスキルアップできる環境だと思いますよ。

企業理念と社員の目標を連動させることが重要

━━最後に、社員の育成に苦戦している企業の方に、成功させるためのポイントをぜひ教えてください。

育成フローをうまく機能させるためには、自社のミッション・ビジョン・バリュー・パーパスと社員の描くキャリアプランを一致させることが重要です。会社と社員の目指す方向が一致しないと育成は難しくなると思います。

━━なるほど、会社と社員の目指すところが乖離していると難しいのですね。

そうですね。その点では、新入社員の育成が最大のポイントになると思います。入社後すぐの時期から指標を細かく定めてトレーナーとトレーニー両者で共通認識を持ち、1ヶ月目でこれをクリアする、2ヶ月目にはこれに挑戦するといったステップを踏んでいくことで、方向性を一致させながら育てることが可能になります。

また、育成フローを作るだけでなく、その取り組みがどうだったかをフィードバックしていくこともポイントになると思います。社員の育成は一朝一夕ではできませんので、経営層、人事、現場で連携して取り組んでいくことが重要なのではないでしょうか。