テレワーク時代における1on1ミーティングの重要性
新型コロナウイルスの影響により、事業活動に大きな変化が起きています。少なくともこれからの1年はテレワークへの移行が増え続け、組織内でのコラボレーションはオフラインからオンラインが中心になっていくことはほぼ間違いないでしょう。
この突然の大きなインパクトによって、特にコミュニケーションの面で大きな変化が起きています。詳しくは下部にて説明いたしますが、上司や同僚とのやり取りが減り、一体感が無くなったと感じる社員の方も増えてきています。実際にそう感じている方も多いのではないでしょうか。
with コロナは誰も経験したことがありません。組織がそれぞれ試行錯誤を重ねながら、一致団結してこの危機を乗り越えていくことが大切です。
今回はテレワーク下においても組織が同じ方向を向きながら、円滑なコミュニケーション・チームワークを維持し、生産性高く前進するための一助になればと思い、本記事を執筆いたしました。
テレワーク時代の到来
パーソル総合研究所が緊急事態宣言(7都府県)後のテレワークの実態について、全国2.5万人規模の調査結果を発表しました。
テレワーク実施率は全国平均で27.9%を記録し、1か月前の13.2%に比べて2倍以上
「 緊急事態宣言(7都府県)後のテレワークの実態について、全国2.5万人規模の調査結果を発表テレワーク実施率は全国平均で27.9%。1か月前の13.2%に比べて2倍以上 」
長期戦であるwith コロナ時代において、今後更にテレワーク導入企業が増えることは間違いないでしょう。
社員が感じるテレワーク環境での「変化」や「不安」
同じくパーソル総合研究所の調査にて、テレワーク実施の前後の「変化」や「不安」においては以下のような結果が出ています。
・テレワーク実施の前後の「変化」について、 上司とのやりとりが減った=45.2%、同僚とのやりとりが減った=50.0%、組織の一体感が低くなった=36.4%、仕事への意欲・やる気が減った=32.8%
・テレワークを行っている人の「不安」をランキング化すると、 1位「相手の気持ちが分かりにくい」で37.4%、2位「仕事をさぼっていると思われないか」で28.4%、3位「出社する同僚の業務負担の増加」で26.4%
「 緊急事態宣言(7都府県)後のテレワークの実態について、全国2.5万人規模の調査結果を発表テレワーク実施率は全国平均で27.9%。1か月前の13.2%に比べて2倍以上 」
上司や同僚とのやり取りが減ったと感じる方が約半数との結果がでています。また、テレワーク下では顔を見て仕事や会話ができないことで、相手の気持が分かり辛いといった不安を感じている方が約4割にのぼっています。
なぜコミュニケーションが重要なのか
共同作業や対面でのコミュニケーションが失われていくと、「認識/方向性のずれの是正」「体調面や精神面のケア」「リアルタイムな業務/成長支援」といった、主にオフラインで実施していた生産性を上げるために必要な対話やフィードバックの機会が、対策をしない限り減少していきます。
これらは組織の負債となって蓄積していき、結果として組織の一体感の欠如や社員のモチベーション低下、そして不安感の増幅など、組織の生産性を下げる要因になっていきます。
米SMB Communicationの調査では、社内コミュニケーションの弊害による生産性の損失は従業員1人当たり年間約2万6000ドル(約300万円相当)と算出される結果も出ています。
※参照: 職場コミュニケーション不足は「数千万円の損」? 米IT企業が取り組む“意識改革”
組織の生産性を高めるためには、コミュニケーションの量を減らさないことが大切です。特にテレワーク環境ではなおさら意識して取り組む必要があります。
1on1ミーティングで対話やフィードバック機会の確保を
前述の通りテレワーク下で組織や社員の生産性を上げていくには、上司-部下間で改めてコミュニケーションの機会をオンラインでつくり、対話やフィードバックを頻度高く実施していくことが有効な手段となります。
この上司-部下間の対話やフィードバックの機会として有効なのが1on1ミーティングです。
社員のケアや業務支援、そして同じ方向を向いて働いていくためにもぜひオンラインで1on1ミーティングを実施してみてください。15分~20分程度の時間でも構いません、まずはチームのメンバーと1対1でコミュニケーションを取る時間を設けてください。
繰り返しになりますがコミュニケーション自体が減っている状況です。。 1on1ミーティングを実施したことがない方は、たわいない会話や近況報告からでも構いません。お互い困っていることを共有し、どう解決していけば良いかをディスカッションするのも良いでしょう。慣れてきたら、これからチームとして、個人としてどうwith コロナ時代に立ち向かっていくべきかについて話してみてください。
オンラインでの1on1ミーティングといっても、通信環境と Microsoft Teams やGoogle Meet、Zoomといったツールさえあれば手軽に始めることができます。双方慣れていくためにもまずは15分~20分くらいの時間でも良いので、週次もしくは隔週ペースで始めてみてください。
1on1ミーティングは現場の上司-部下間だけでやるものでもありません。現場の社員と接する上司も同じように、方向性の一致や不安解消の必要性があります。
最後に
この人類にとって未経験であるこの試練をどう一丸となって乗り越えていこうかと四苦八苦されている方にとって(筆者もその一人です)、少しでも参考になればと思い執筆いたしました。
まだ先になるとは思いますが、 新型コロナウイルスの影響が収まる頃には、以前よりも、社員それぞれが同じ方向を向き、生産性高く仕事を進められる組織が増えていることを祈っていますし、そのお手伝いができればと思います。