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1on1ミーティングを導入したい!運用設計で考えるべきポイントとは

近年多くの企業で導入されている1on1ミーティングですが、「うちでもやってみたい」と思いつつ導入が後回しになってしまっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、「1on1ミーティングを導入したいが、導入までのハードルが漠然としていて手をつけられずにいる」という方に向けて、導入時に考慮したいポイントをまとめました。

1on1ミーティングの導入時に考慮したいポイント

1on1ミーティングをどのペア(上司と部下)で実施するか

基本的には、日頃の業務を一緒に行っている直属の上司が担当することがほとんどです。

ただし、担当する部下の人数には注意し、1人の上司に対して部下の人数は7~8人を越えないようにしましょう。あまり多いと上司の負荷が大きくなってしまい、継続されなくなってしまうケースが多くあります。

どのように現場のハードルを下げるか

1on1ミーティングの導入によって負担が増えるのは現場の社員です。しかし、いくつかの工夫によって、負担を最小限に抑え、効果的に1on1ミーティングを進めることができるようにもなります。

まず一つ目に、テンプレートを用意しましょう。「この項目に沿って話してください」という枠があることで、1on1ミーティングがはじめての社員にとっては大きな支えとなります。また、全社的に導入するときには、テンプレートがあることで上司によるクオリティのばらつきを抑えることもできます。

二つ目に、上司と部下の両方に事前の準備をしてもらうようにしましょう。はじめて1on1ミーティングをする人にとって、何を話せば良いのかわからないというのが大きな課題となります。まず部下の方から、話したいことや今困っていることなどを事前に書いておいてもらい、それに沿って話を進める流れにしてみましょう。話したいトピックを事前に書くだけで、部下自身は自分の頭を整理でき、上司はトピックに対する対応を考えてから臨むことができるため、はじめての場合でも十分に進めやすくなります。ただし、準備が負荷になってしまっては本末転倒なので、時間をかけすぎないようにしましょう。

記録を残す環境をどうつくるか

1on1ミーティングでの会話内容は部下のための資産なので、いつでも取り出せるようにしておくことが好ましいです。手軽に1on1ミーティングを始めてみたい場合は、文書作成ツールや表計算ツールで運用してみましょう。

また、最近では1on1ミーティングツールも多くあります。ツールの強みは自動化と柔軟な共有設定です。1on1ミーティングにおける「準備→実施→記録」のフローは毎回同じなので、自動化させられるとより効率的であり、1on1ミーティング自体に集中できる環境をつくることができます。そして、ツールを活用して適切な範囲で共有してもらうことで、本当に実施されているのか分からないという問題を防ぐことができます。共有された内容を見つつ、全社的に軌道修正ができることもメリットの一つです。

1on1ミーティングの目的をどのように伝えるか

一般的な評価面談と1on1ミーティングの最も大きな違いは、その主体です。評価面談は上司または会社が部下を評価し、その内容を一方的に伝える場ですが、1on1ミーティングは部下の成長をサポートするための場です。業務やそれ以外の話も含めて、一人では解決できない問題を上司や会社がサポートする時間とも言えます。そこまでしてでもこの会社で活躍して欲しいという期待が全員に対して込められているということを、しっかりと伝えましょう

社内研修やドキュメントを活用したり、1on1ミーティングの冒頭の時間を使って、何度も伝え続けることが重要です。

まずは継続できる仕組みをつくる

1on1ミーティングは数値的な効果が見えづらく、導入や継続が難しい施策です。一方で、社員の成果を最大化させる文化をつくるための最も効果的な施策の一つでもあります。とにかくまずは、上記でご紹介したハードルを一つずつ越え、継続できる仕組みをつくりましょう。

以下の1on1ミーティングの導入事例も合わせてご覧ください。

『全社500名、それぞれの成長を支援する仕組みづくりを。メンバーの個性を生かす手段としての1on1ミーティング導入・運用法』
https://www.teamup.jp/interviews/provision

『ミドルマネジャー育成の第一歩。経営層から全社に仕掛ける1on1ミーティング導入戦略』
https://www.teamup.jp/interviews/fis