肯定的な振り返りを実施するために必要なこととは?
自己評価は否定的になりがち
評価面談前の自己評価をしたときなど、終始『否定的』な反省になってしまうことはないでしょうか。
人間は不足に目が行く性質を持っています。
・空欄があると、なぜか埋めたくなる
・他者と比較して、足りない部分を見てしまう(隣の芝生は青い)
等です。
当然、自己成長や目標達成という観点では、至らない点を直視することは重要ですが、過度に否定的な振り返りをする必要はありません。
今までのプロセス全てがマイナスだったという方は少なく、出来た側面もあれば、出来なかった側面もあるが、結果としては出来なかった側面に目がいってしまう、という状態が正確な捉え方です。
どのように考えることで、『肯定的』な側面にも焦点をあて、両面を同等に振り返ることができるのでしょうか?
プロセスをチェックし、肯定的な振り返りをする
自己評価を肯定的に行うために着目するべきは、プロセスです。
特に、そのプロセスが細分化されていると、
・部分的に肯定的な行動をとれている
・結果までにはなっていないものの評価に値する状況を作れた
等を認識することが可能になります。
例えば、営業を担当している社員が、
「今月は、前月比130%の売り上げをつくる」という目標を立てています。
仮に今月の結果が「前月比70%」に着地した場合、この結果自体は事実のため、肯定的に捉えるには、解釈を無理矢理組み込む必要が出てきてしまいます。
一方、この目標を達成するためのプロセスに着目します。
・「130%を達成するためには、前月よりも多いアポイント獲得が必要。そのために先月よりも多く電話をかける必要がある。」
・「アポイント獲得の確率をあげるために、電話の流れをより良いものに修正する必要がある」
等と、目標達成に向けて取るべき行動まで細分化できていると、振り返り時にも、
・「先月よりも多く電話をかけることができたことは事実」
・「電話の流れを改善したものの、確率は上昇できなかった」
等の行動ベースの振り返りができます。
このような状況まで持っていくことで初めて、肯定的な側面を事実として認識することができます。
1on1はプロセスの認識のすり合わせを実施する
1on1ミーティングでは、プロセスに焦点を当てた対話を実施することがおすすめです。
1,「改めて、振り返ってみると、いつどのような状態を構築できていたら、理想的な流れだったのだろうか?」
2,「理想と照らし合わせて、出来ていた点はなんだろうか?」
という流れで対話をすることで、肯定的な側面を踏まえた振り返りをすることで、上司部下間でのプロセスの認識の確認が可能になります。
また、期中でこのような対話が実施できれば、軌道修正が必要か否かの判断をすることも可能です。
『否定的』・『肯定的』の両面から振り返る技術を習得しよう
自己の振り返りは、仕事を続けていく行為といえます。
だからこそ、自己評価を『否定的』だけではなく、『肯定的』にも振り返る技術の習得は、前向きに仕事をする上で欠かせない力になります。このタイミングで習得していきましょう。