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上司からのフィードバック・評価の受け止め方

他者からのフィードバックや評価を適切に受け入れ、改善行動をとっていくことは、ビジネスパーソンの成長には不可欠な要素です。

一方、他者からのフィードバックや評価は、自身にとっては耳の痛い内容も多く、受け容れがたいと感じてしまう内容も多くあるため、その内容を拒絶してしまうのか、あるいは自身にとって成長の伸びしろと捉えられるかが大きな分かれ目になります。

では、フィードバックや評価を適切に受け止めるために、重要なポイントは何か?抑えたいポイントを3つを紹介します。

自己評価と他者評価の乖離をすり合わせる

基本的に、自己評価と他者評価には乖離が生じてしまうものです。ただし、自分はできていると思っているのに、他者からはそう評価されていないという状態が続くことで、「認めてもらえていない」と他責思考に繋がることもあります。

半期に1回の評価面談等でよくあるシーンとして、上司から自分が思ってるより評価されてないと認識したときに、「自分はここまで頑張ってるのに」や「その評価をもっとはやく言ってよ」と思ったことのある方がいらっしゃるのではないでしょうか?

そうならないために、自身への期待を適切に認識し、自己評価と他者評価の違いをすり合わせるコミュニケーションを定期的に実施することが重要です。自身への期待を認識することで、フィードバックをポジティブに捉えることができる傾向も強くなるとも言われています。

認知的不協和の解消

自身の考えや想いと異なった情報を受け取ったときに感じる不快感のことを認知的不協和と言います。人はその不快感を解消するために、自身の考えや行動を変更しようとします。例えば、「拒絶反応を起こす」「自身を正当化する」「反論するための根拠を探す」などが挙げられます。

この認知的不協和は、誰しもに起こりうることで、突発的な感情自体は避けにくいものの、自身がそういった状況に陥っていることを正しく認識することが必要です。

相互理解と自己開示

人は、自分の想定外の評価やフィードバックを受けたときに、「あの人は自分のことをわかってくれてない」「理解してくれてない」と思ってしまいがちです。「ありのままの自分を受け入れてほしい」という想いが先行してしまうこともありますが、その前段階で、多くのビジネスパーソンは自身のことを理解してもらう取り組みができていないケースも多く存在します。

日頃から自分のことを知ってもらう努力をし、そして、そのうえで、相手の考えや価値観、立場を理解し、相互理解を深めていくことが重要です。

まとめ

上記3つのポイントを踏まえ、フィードバックや評価を適切に受け止めるためには、いまの自身の考えや置かれている状況を適切に捉えるための「メタ認知(※)」の能力を高め、他者との認識の乖離を防ぎ、自己開示を通じて相互理解を深めていくことが必要です。

そのための方法として、日常業務の延長線上とは異なる対話の機会としての1on1ミーティングは、まさに効果的な場として活用できるのではないでしょうか。

※メタ認知とは、自身の認知を客観的に認知すること。俯瞰的・客観的に自身の感情や思考、判断、行動などを捉えることを指します。