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リモートワーク下にて新卒社員が早期に活躍するためのポイント

新卒社員が秘めたる可能性を開花し活躍するためには、当然ながら組織に馴染むというステップを踏む必要があります。新卒社員にとって最初に訪れる大きな課題の2つが「業務に慣れること」と「環境に慣れること」です。

業務に慣れるためには、先輩や上司の仕事ぶりを横で見ることで学ぶ情報は多いものです。しかしリモートワークによって、見て学ぶことができないと、新卒が得られる情報はドキュメント等でまとめられた資料やチャット等の言語化された情報と決められた時間でのコミュニケーションに限定されてしまいます。

また、ふとした瞬間のコミュニケーションで、周囲と関係構築していくことが難しい状況下では、社内の人脈や仲の良い同僚を作りづらく、職場環境に慣れづらい現状もあります。それらを踏まえて、新卒本人・上司・メンター・同僚の各立場の人が、それぞれどのように協力をしていけば良いのでしょうか?

新卒の立場での工夫 - 「相談」をうまく活用できるか

リモートワーク下では、周囲から声をかけることが難しい分、やることが不明瞭で手持無沙汰な時間が増えやすい傾向にあります。それを防ぐためにも、まずは「落ちている仕事や先輩の仕事を取りに行く努力」が求められます。

例えば「何かできる仕事がありますか?」とオープンクエスチョンで尋ねるよりも、「その議事録の担当を私がやってもよいですか?」と聞くことで、仕事を得やすくなります。仕事を任されると、周囲とコミュニケーションをとる理由が生まれ、より早く組織に馴染むことができるようになるのです。

また、オンライン・オフライン問わず、新卒社員が即戦力化していくにあたって「報連相」の基本を身に着けることは不可欠な要素です。特に新卒社員において相談をうまく活用するかどうかでの業務習得スピードは大きく異なります。相談では「質の高い相談」よりも「素早い相談」が好まれるということを意識してみましょう。仕事に慣れる前の段階では、完成度30%ではやくフィードバックをもらうことができるかがポイントです。

例えば、タスクを受け取ると、つい自分の力だけで、完成度80%のものを納期ギリギリに提出しようとしてしまいがちですが、上司視点では完成度が低いものになる可能性があります。完成度が低くても、はやくアウトプットを出し、はやめにフィードバックをもらって、上司視点での完成度100%のアウトプットを出すまでのスピードを高めることを意識しましょう。

上司の立場での工夫 - 心理的安全性を意識する

リモート化でコミュニケーションの頻度が減っている場合、心理的安全性を担保するためにも、自ら歩み寄ることが重要です。

特に上司の視点では、「コミュニケーションの機会」を意図的に創り出す必要があります。

例えば、職場の空気や雰囲気に慣れるために、意図的に10分~15分間で社員同士での雑談の場を設けることなども工夫の一つです。

また、「困った時はいつでも聞いて」と言われてもなかなか聞くことのハードルが高いのが新卒社員の心理です。そのため「午前中(10時~12字)と午後(15時~16時)はチャットをすぐに返せる時間」や「毎日1on1ミーティングの時間を10分でも良いので設ける」など、ルールとして相談できる時間を確保する方法もあります。

関係性構築においては、「自己開示」を積極的に上司から行うことも有効です。1on1ミーティングでは部下の話を聴くだけではなく、自分はどういう人間で、どういう性格か、などを伝えて距離感を縮めることで、新卒社員も安心感をもってコミュニケーションをとることができます。

メンター・教育担当の立場での工夫 - コミュニケーション量の担保

リモート環境では、メンターの想像以上に情報や周囲とのコミュニケーションが遮断されている可能性があります。1日1度のミーティングなどでは、コミュニケーション量が全く足りていないという声もあがる可能性を認知しておきましょう。そこでメンターが重視することは2点です。

1点目は「声かけ」を重視です。上司と同様に「困った時はいつでも聞いて」と言っても新卒社員から話しかけるハードルは高いものです。そのため、ミーティングの予定以外でも、「何か困っていることはありませんか?」「モヤついている疑問点はないですか?」などの声をかけることで足らなかったコミュニケーション量が担保されます。

2点目は、組織文化に慣れるための情報を渡すことです。例えば、組織で共通認識を持っている常識を教えてあげたり、ツールの利用方法をはじめとする仕事方法など、慣れていったら当たり前になるけど最初は躓くような情報を積極的に提供してみましょう。

同僚の立場での工夫 - 良き相談相手になる

レポートライン以外のコミュニケーションがとれることも職場環境に慣れるきっかけになります。しかし、よほど積極的な方でない限り、新卒側から声をかける機会はほとんどありません。そのため同僚となる方は、例えば、SlackやTeamsなどのコミュニケーションツールで「仕事は慣れてきましたか?」と一言声をかけることだったり、飲み会やランチミーティングなどに誘い、雑談や周囲の人たちのパーソナリティの情報など、レポートラインではし辛いコミュニケーションを実施などをすることで、「良き相談相手」になれると職場への安心感が醸成されます。

新卒オンボーディングはチームでの総力戦

新卒オンボーディングはチームでの総力戦です。レポートラインのみで完結する話ではなく、当人を含めたチーム全体でオンボーディングを行う意識で取り組み、全員で初動を乗り切る意識で取り組んでいきましょう。