Microsoft Awardを受賞したテクノロジースタートアップが1on1ミーティングで実践する「組織の土壌づくり」

Microsoft Awardを受賞したテクノロジースタートアップが1on1ミーティングで実践する「組織の土壌づくり」

課題

  • 日々変化するスタートアップの環境で、エンジニアが悩むことが多かった
  • 1on1ミーティングを実施し始めたが、ログや知見をうまく蓄積できていなかった

TeamUpを選んだ理由

  • 1on1ミーティングを管理できる方法を探していたとき、スタートアップで働く知人に紹介されたため

効果

  • 1on1ミーティングが仕組み化され、スムーズに運用できるようになった
  • プロセスに気をとられることがなくなり、1on1ミーティングの質が向上した
  • メンバーが求めていることが見えるようになった

パフォーマンスを上げるために、1on1ミーティングは必要な投資

──現在、社員数が12名と伺っています。比較的早いフェーズでTeamUpの導入を決めた理由を教えてください。

私たちは、エンジニアが社員の3/4を占めるテクノロジースタートアップです。法務の問題をテクノロジーで解決するサービスをつくっていますが、開発の方向性が変わることも珍しくなく、エンジニアがプログラムの実装段階で悩むことがよくありました。そこで、そういった日々の変化を吸収できるようなコミュニケーションのタイミングが欲しいと思っていました。

前職時代から1on1ミーティングの重要性を感じていたこともあって、GVA TECHでも当初から1on1ミーティングを実施するようにしました。CTOの私がエンジニアメンバーと1on1ミーティングを行ってログをメモ帳に残していたのですが、うまく知見を溜めることができておらず、他のスタートアップで働く知人からTeamUpを紹介されたことをきっかけに導入を決めました。

今は、入社後3カ月間は1週間に1度、その後は2週間に1度のペースで1on1ミーティングを実施しています。1カ月分をまとめて聞くよりも小出しで聞いたほうが意思疎通を図りやすいからです。私は8名のメンバーと1、2週間に一度ずつ1on1ミーティングをすることになりますが、翌週からのメンバーのパフォーマンスが上がることを考えれば、それだけの時間をかける価値はあると思っています。

1on1ミーティングが仕組み化され、会話の内容に集中できるようになった

──TeamUpを実際に使ってみて、どうでしたか。

現場はおおむね好印象を持っているようで、今のところ「負荷がかかっている」というような声は上がってきていません。ヒアリングする項目を3つに絞っていることも、負荷が少なく済んでいる理由かもしれません。

私自身も、ツールを導入して仕組み化されたことで、1on1ミーティングを運用しやすくなりました。これまではミーティングの時間だけが決まっていて、事前準備もなく、その場で臨機応変に対応する必要がありましたし、ミーティング後に話した内容を共有することもありませんでした。

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取締役 CTO/エンジニア 本田勝寛様

TeamUpの導入後は、メンバーが話したい内容を事前に挙げておき、1on1ミーティングの場でそれについて話し合い、話し合った内容をログに残して共有する、という一連の流れがスムーズになりました。プロセスに迷うこともないので、話の内容に集中できるようになり、1on1ミーティングの質が上がったと感じています。

組織文化という土壌があれば、ルールは少なくていい

──1on1ミーティングを実施するときに、意識していることはありますか。

最終的に目指しているのはやはり会社やサービスの成長なので、その文脈からズレないように運営しています。1on1ミーティングで話すのは、「1週間のアウトプットはどうだったか」「業務を進める上で困っていることはないか」「チャレンジしたいことがあるか」の3つだけです。これらの質問を聞き続けることで、みんなが求めているものが次第にわかるようになってきました。

その次の段階として今は、開発組織としてのクレドをつくり、組織文化を言語化することに挑戦しています。会社のミッションやバリューはすでに言語化されていますが、それらを実現するために開発組織としてどういった行動が奨励されるのかを示すものです。ビジネス組織と開発組織の間の溝があるとサービス開発はうまくいきません。ビジネスのミッションをもとに開発者のクレドをつくることで、ビジネス側とズレが生じないようにしたいという狙いがあります。

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高いパフォーマンスを上げるために、組織文化はとても大事です。Amazon Web ServiceやNetflixのような、合理的なイメージの強いアメリカの企業であっても、採用時にはカルチャーフィットを気にするといいます。実際に、良い組織文化が醸成されていて、それに合ったマインドの持ち主を採用すれば、ルールで社員を縛り付ける必要はなくなります。少ないルールで組織運営できるのであれば、マネジメントも楽です。また、ルールというのは性悪説に立ってつくるものなので、あまりつくりたくないというのが本音です。

1on1ミーティングの価値を客観的に示せるかが課題

──今後の課題はありますか。

GVA TECHは2017年創業ですが、先日「TechCrunch Tokyo 2018」のスタートアップバトルにおいて「Microsoft Award」を受賞することができました。今後もサービス開発によりいっそう注力していくために、月1名のペースでエンジニア採用をし、組織を拡大していく予定です。そうすると、今私が一人で行っている1on1ミーティングを他のメンバーに権限移譲していく必要が出てきます。

そのとき、1on1ミーティングの効果を客観的に示せないと、「本当にやる意味があるのか」「効果の不明瞭なものに時間を使いすぎなのでは」といった指摘を受けて、取り組みづらくなってしまう可能性があります。そこで現在、月1回匿名のアンケートを取ったり1on1ミーティングの満足度を測定したりして、1on1ミーティングが効果を測ることを試みているところです。

会社は「人」。みんなが自由に踊れて、パフォーマンスの高い組織をつくっていく

──今後、GVA TECHをどのような組織にしていきたいですか。

役割ごとにアクセスできる情報が限られているようなエンジニア組織にはしたくないですね。例えば、AIエンジニアはWebやインフラの領域には口を出せないといった不自由な状況は避けたい。責任の所在を明確にする必要はありますが、誰でも気になるところに首をつっこめるようにしておくことが、「みんなでサービスを開発している」という一体感を醸成する上では大事だと思っています。

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高いパフォーマンスを出し続けるには、カルチャーフィットが重要です。スタートアップだと「人手が足りないから、スキルのあるエンジニアをとにかく採用したい」という局面があります。私たちもスキル面だけを見て採用したことがありましたが、結果ミスマッチを起こしてしまいました。採用した社員の考え方が企業文化とマッチしない場合、細かなズレを修正するためにマイクロマネジメントを行ってしまいがちです。そうすると社員もやりにくく、マネジメントする側も大変です。

当社でもその後、企業文化に合った人材が入社して、会社の雰囲気はガラリと変わりました。「会社は人だ」とよく言いますが、まさにそれを実感したのです。マネジメントの役割は、社員を「管理」することではなく、組織文化という土壌をつくり、それにフィットする人材を採用することで、それぞれのメンバーが自由に踊りながら組織として高いパフォーマンスを上げられるようにすることだと考えるようになりました。

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